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−2番ではなく、常に自分が売りとする分野の『1番』であり続ける。−イスタンブール在住、トルコで唯一の日本人弁護士鳥越恵子さん

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4月23日、トルコ、イスタンブール

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ヨーロッパとアジアの中間に位置する国、トルコの最大の都市イスタンブール。首都ではないが、トルコの経済、文化、歴史の中心地で、立地的にはボスボラス海峡を挟んで2つの大陸に跨った都市です。

そんなイスタンブールにてお話を聞いたのは、トルコで唯一の日本人弁護士として活躍する鳥越恵子さん

トルコへ渡り弁護士になるまでの経緯、その仕事内容、これからについてなど幅広く取材して来ました。

トルコで唯一の日本人弁護士、鳥越恵子さん

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−本日はお時間割いて頂きありがとうございます!始めに鳥越さんの略歴と現在の仕事について簡単に教えて下さい。

「イスタンブールの日系航空会社のパッセンジャー・サービス・スーパーバイザーとして、イスタンブールのアタチュルク国際空港勤務中に、国立マルマラ大学法学部へ通い卒業しました。卒業後は弁護士資格を獲得し、現在は個人・法人問わず、トルコ共和国で邦人をサポートする唯一の日本人弁護士として活動しています。

言語能力が高いと有名法律事務所に就職出来ても、ずっと翻訳しかさせていただけないので、既存の事務所に所属せず自分の事務所を開設しました。日本語能力が母国語レベルの弁護士は、現状、トルコ共和国に私しかいないので日本語での対応をご希望のクライアントへのリーガル・サービス提供が私の仕事です。

具体的には調査報告書作成、契約書作成、訴訟、会社の法務、リーガルサポートの範囲内で商談通訳、会社設立時等にトルコの公的機関に提出する公証人役場認証用の公認翻訳等です。」

大学を卒業後、人種差別のない国トルコへ

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−トルコへ渡るまでの経緯を教えて下さい。

「日本で大学を卒業した後、すぐに専門がドイツ語だったということもありドイツへ渡りました。私は生まれた頃から、日本人社会には馴染まない個性的な子供だったので自分が自分でいられる居場所を探す為に日本を出たんです。

しかし、初めに渡ったドイツで感じたのは目に見えない人種差別でした。一旦友だちになってしまえば話は違いますが、それ以前の段階で例えば黒人や私を含めたアジア人に対してだったり。なにもないけれど感じる。そんな人種差別を当時感じて、私の居場所はここじゃないと思ったんです。」

−それからトルコへ渡ったのですか?

「はい。ドイツで感じた一生超える事の出来ない壁を感じて生きていく必要はないと、人種差別のない空間を求めているうちに出会ったのがこの国、トルコです。だから引っ越してきました。一人の人間が、生まれながらに持つ身体的な個性を、《好意》を表現する際にのみ指摘するトルコ人の国民性が私はとても好きです。そんな彼らに囲まれて生きていたいと思ったんです。

トルコに来てからはまず語学学校に5ヶ月通った後、日系航空会社に就職しました。航空会社に勤務しようと思ったのではなく、トルコでの初めての入社面接が航空会社だったからです。即採用され、パッセンジャー・サービス・スーパーバイザーとして空港業務全般を任されました。」

ナイフで殺されそうになった経験から法学の道へ

−では、それからなぜ法学の道へ?

 「当時知人が手形を持っていて私がそれを代わりに請求してきてあげると言ったんですね。で、実際にその人の個人経営の不動産屋を訪れ、返済を請求したら、逆上されナイフで殺されそうになったんです。

懸命に警察まで逃げて行ったのですが、調書すら読めませんでした。日本領事館には「刑事事件は当方とは関係ありません。」と言われ、管轄外として無視されました。結局、起訴はしましたが、裁判は長く、ほっとかれるような感じで、思うような結果ではありませんでした。そもそも弁護士が使っている言葉が分からなかったんですよね。

この街が好きで今後も生きていきたいなら、いい弁護士を雇える財力が必要。お金が無いなら、自分が弁護士になって、自己防衛だけじゃなく、トルコ語を理解しない外国人をサポートしようと思ったからです。

トルコ共和国で弁護士になるには、大学で法学を学ぶ以外に方法がないのでセンター試験を受け、マルマラ大学に合格しました。」

弁護士になるために大臣に直接交渉

−トルコで弁護士になる際に日本の司法試験のような試験は無いのですか?

「トルコ人国籍を持つものであれば大学を卒業することが弁護士資格取得の条件なんですね。ただ、外国人がトルコで弁護士資格を獲得するためには大学を卒業しただけではダメで、閣議決定で許可が下りないと弁護士の資格をもらえないんです。

1人の人間が弁護士になるために閣議決定がなされるなんて物凄い大事ですよね(笑)。

私の場合はあるレセプションがあって、そこには外務大臣が来るということを事前に耳にしていました。なので、遠くからでも出来るだけ目立つように純白のスーツを着てそのレセプションに向かいました。

しかし、パーティーではなかなかお話する機会がなく、遂に大臣が帰られる時間になりました。レセプションに参加していた全てのビジネスマンが会場出口までの花道を作った時、私は咄嗟にその花道の入り口のすぐそばに並んで「私はこういうもので、閣議決定にかけていただきたいんです!」と直接大臣に交渉したんです。

するとそれまで見向きもしなかった大臣が秘書の方に指示を出して連絡先を教えてくれました。それから、色々な方の支援のお陰で、晴れて弁護士資格を獲得することが出来ました。」

国際的な事件を任されて感じた自分という商品の強さ

−弁護士として今までで一番印象的だった案件はありますか?

トルコで起きた国際的な殺人事件も絡んだ事故の、調査を任された案件です。

トルコにある全ての資料を集め、それを日本語訳して日本に送るという内容の仕事だったのですが、翻訳してそれを公証役場で認証してくれる人がほとんどいない中で自分のことを認めてくれたというその事実がとても嬉しかったです。

仕事をやり始めてまだ少ししか経っていない時期に、任せられるのは君しかいないと言われこと。そこまでに自分をもっていけたことが嬉しかった。

この時に自分という商品の強さ、唯一無二さを自覚することが出来ました。

唯一無二の日本人弁護士と孤児院の支援

これからの将来設計(こんなことがしたいなど)がありましたら出来る範囲で教えて下さい。

「トルコ共和国を訪れる法人やトルコ人と接する邦人が、権利を侵害された際、泣き寝入りせずに権利を主張する勇気を持てるよう、サポート出来ればと思います。

今や、海外進出を必須とするのは、製造業界だけではありません。2018年完成予定の世界最大の空港の開港と共に、地球の裏側にある市場の中心地となり得るのが、宗教に寛容で親日国であるトルコ共和国の商業都市イスタンブールです。イスタンブールを第2の本社として、北アフリカ・中近東・中央アジア・ロシア・ヨーロッパ市場を統括していくべく、企業活動を展開する全ての日系企業に信頼される存在になり、そうあり続けたいと考えています。

また、絶対的な支援を約束するであろう両親を失くしてしまった孤児が、高いレベルの教育と文化を身に着けられるよう、陰ながら、個人的に支援していきたいと考えております。」

2番ではなく、常に自分が売りとする分野の『1番』であり続ける

最後に日本の若者にメッセージをお願いします。

「高校生時代、大学生時代に、将来何をしたいのかすら分かっていなくても、問題はありません。その場合、いつか《天職》が見つかった時の助けになるように、常にベストを尽くして下さい。そして《天職》が見つかった時、その時点で自分が何歳であっても、躊躇せず、頂点を目指して即最初の一歩を踏み出して下さい。人生は、世間や家族・友人の意見を尊重して生きる程長くはなく、彼らはあなたが後悔した時、失くした時間を返してはくれません。

人は、発注を待っている商品のようなものです。

自分なら自分という商品を欲しいと思うでしょうか?自分という商品の箱には、どんな特徴が記載されているのでしょう。商品である限りは、そして対価を得る限りは、「市場で一番」の品質や特徴を備えている必要があります。不変の高品質を市場に提供し続ける事で、自分という商品は、ブランドと化します。

2番ではなく、常に自分が売りとする分野の『1番』であり続けることを意識して下さい。

✔インタビューを終えて:自分という商品にはどんな価値があるのか。

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鳥越さんの最後のメッセージに含まれていた、「人は発注を待っている商品のようなものだ」という言葉。そこには、これまでの苦境を乗り越え自分の大好きな土地でたった1人の日本人弁護士になるまでの鳥越さんの人生が滲み出ているような気がしました。

ぼくらは商品であるから、自分という存在を最大化できる分野で1番を目指さなければならない。これは、人によっては残酷に聞こえる表現かもしれません。しかし、大事なのは結果ではなく、

自分という商品にはどんな価値があるのか。

それを一人一人が考え、理想の自分に向かって努力をしていくこと。常に1番であり続けることを意識すること。

その点ではぼくもまだまだ甘いなと、そう感じるインタビューでした。

鳥越さんご協力本当にありがとうございました!